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「昭和陸海軍の失敗」(文芸新書)

 視察先への移動時間に読むために、本棚からぱっと選び出して鞄の中に放り込む。三年ほど前の本ではなかったか。再読。

100724昭和陸海軍の失敗 「昭和陸海軍失敗」(文春新書)


 ちょっと左傾かなと思われる半藤一利や保阪正康、また、右傾かなともいわれる秦郁彦、福田和也、防衛大学関係の平間洋一、戸部良一等々、なかなかの識者。現代ではこの時代を考証する最強メンバーであろう。

 感想は陳腐なものになってしまうが、結論から言えば、この本を読んででさえも、なぜあのような戦争に突入してしまったのか、一つの理由に帰することはできない。ヒトラーに全てを帰結してしまったドイツと決定的に違うところであろう。

 石原莞爾はあまりに天才が過ぎるがために、誤解されている節もあるが、決してヒットラーではない。東条英機は、逆にあまりに小さ過ぎる。

 さて、先の大戦にまつわる本を読んでいると、ことごとく共通しているのは、服部卓四郎と辻政信の評判の悪さ。詳細は、本書はじめ歴史書に委ねるが、なぜ、こんな暴走コンビが・・・と気が重くなる。

 参謀本部作戦課長として、無謀な戦争の絵を描いた服部は、戦後、すかさずGHQにおもねり、日本の悪口を書きなぐった「大東亜戦争全史」(GHQ戦史部編纂)をまとめあげた。

 現代に繋がる、先の大戦は全て日本が悪であるという呪縛に拘泥されている人に、しかも、そのことさえ気づいていない人に、意識しようがしまいが、しっかりと覆いかぶさっているものである。

 服部は、自分でシナリオを書いた戦争を、「日本」という国の責任にしてしまうことによって、自分の責任をうやむやにしてしまおうとする。

 服部とコンビであった辻政信は、連合国からの戦犯追及を逃れるため、インドシナ半島、中国さらには日本国内にてずっと隠れていた。広田弘毅と正反対である。

 ほとぼりが冷めた頃に、表れ、その潜伏の体験を書き上げベストセラーに。

 常人ではない。

 尚、辻政信はその後、参議院全国区から出馬し、三位で当選。いやはや・・・。強靭な生命力である。

 では、なぜ、そのような人物がそんなことをできたのか。跋扈できたのか。その疑問を解いていく作業こそが、私たち日本にとって、今後、平和を守っていく一つの鍵となっていくのかもしれない。

 最尾に、辻政信についての人物評で面白い記述があった。

 戸部氏の言葉。
 「辻は、その場に応じて『正論』を巧みに使える才能があり、それで生き残ったのではないか」

 保阪氏の言葉。
 「作家の杉森久英は『辻政信』という著書の中で、「彼のする事なす事は、小学校の終身の教科書が正しいという意味で正しいので、誰も反対しようがなく。彼の主張は常に、大多数の無言の反抗を尻目にかけて通るのであった」と書いています」

 組織がおかしくなるのは、そんな人物を淘汰できなくなってきたときであろう。組織とは、外的要因よりも内的要因から崩れていくことが多いとは、まさにそのことを指すのであろうか。

 改めて、胸に刻み込む。
山野之義 * 一夜一冊 * 17:43 * comments(0) * trackbacks(0) * pookmark

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