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「わたしのいもうと」(松谷みよ子著)

 午前中、以前からお誘いいただいていた講演会に参加。この講師の先生のお話は何度かお聴きしている、うまいもんだ。話す内容は毎回同じだが、話術だな。プレゼン力ともいう。政治家にとっても大切な要素だ。

 昼、玉川図書館へ。予約してあった本が届いた。ん?私が返していない本もあった。しまった。てっきり返したと思い込んでいた。家に帰り慌てて探す。出てきた。明日返そう。とんでもないよな。深く深く反省。

 絵本ワールドへ。毎年私は参加している。童話作家でもある肥田美代子さんの講演もお聴きする。この方、元国会議員さん。学校図書館法改正、文字活字文化振興法等々、国民特に子供たちに読書の大切さを伝える活動をずっと続けてこられた。

 新作「山のとしょかん」を手にとって読む。ごめんなさい。現場で立ち読みで終えてしまう。「山のとしょかん」を「山野としょかん」と勝手にもじって読む。金沢市の図書館施策に、これまでも何度も発言してきた私としては、都合のいい読み方をする。

 絵本の販売コーナー。えっ、と思った絵本が置いてあった。

 「わたしのいもうと

100718わたしのいもうと 学校の授業でも使われることが多いようだ。ネットでもその使われ方なんかの示唆もある。確かに、先生方にしても具体的な話・指導もしやすいかもしれない。
 それにしても、松谷みよ子の作品だったのか・・。初めて知った。



 作品主人公の妹が、転校して、いじめにあう。陰湿ないじめ。学校に行かなくなる。生きる希望も失ってしまう。家族も必死で呼びかける。精一杯の愛情を注ぐ。しかしながら最後は・・・。

 ハッピィエンドでなくても「絵本ワールド」だ。実は、以前、子供たちに読ませようかと思わないこともなかったが、これは、親が購入するにはあまりにも切ない。

 一つだけ。

 この本、反戦を語る絵本のジャンルに出版社は入れている。これは、あとがきによると、作者の強い希望だという。「差別こそが戦争への道を切り拓く」という思いがあったから、とある。

 違うだろう。「戦争への道を切り拓く」のは偏狭なナショナリズムであり、領土拡大意欲であり、レゾンデートル(存在意義)のやはり偏狭な鼓舞であろう。「差別」を「戦争」に安直に結びつける考え方は、あまりに「美しすぎる」話であるだけに誰も言葉をはさめなくしてしまう。つまり、何の解決にもなっていかない。

 もっと言えば、誰も発言できないようにしてしまい、自身の気分が良くなっているうちに、「いじめ」を放置することになってしまう。結果としてその「いじめ」を助長することにさえなりかねない。

 作者の善意を疑うものでは決してないが、そこははっきりさせないといけない。

 「いじめ」を「戦争」と結びつけて議論を持っていこうとしてはいけない。言っている本人の気分がいいだけである。「いじめ」は「いじめ」として具体的個別的に対応していかないといけない。
山野之義 * 一夜一冊 * 23:27 * comments(0) * trackbacks(0) * pookmark

「自分を変えたあのとき」(北国新聞社)

 株式会社オートモの大友恵利子常務からいただいた本「自分を変えたあのとき」を拝読。大友さんにサインもしてもらったぞ。

100709自分を変えたあのとき 「自分を変えたあのとき」(北国新聞社)


 24名の女性経営者が書かれた本。それぞれのリーダーの方たちが、それぞれのお立場から、女性として、娘として、妻として、母として、嫁として、そして、なによりも経営者として書き綴られたもの。

 私もよく知っている方たちが半数近くおられることもあり、興味深く、一気呵成に読み終える。よく知っている方たちでも、彼女たちの初めて知る横顔、一面がほとんど。明るく輝いている方たちばかりだが、こんな苦労があったんだ、こんな経歴があったんだと、驚いたり感心したりしながら読み終える。

 激しく選挙営業をしている際に読ませていただいただけに、よけいに身にしみる。やさしさを忘れちゃいけないな、と。
山野之義 * 一夜一冊 * 23:32 * comments(0) * trackbacks(0) * pookmark

広貴も読んだ、「君のためなら千回でも」

 少々口幅ったい言い方になるが、広貴は、父親である私のことを、よく本を読むなんでも知っているお父さんと思っている。私の本棚をのぞき込みながら、次に読む本をよく選んでいる。私もそのことは知っているので、広貴には早いなと思うものは、あえて、本棚には並べない。

 広貴が学校の朝の読書の時間に読む本を探している。私は、ちょっと迷ったが、中学一年生ならまぁよかろうと、この本を薦める。

君のためなら千回でも上下 「君のためなら千回でも」(ハヤカワ文庫)


 私のこのブログでも、以前、取り上げている。なかなかうまいこと書いてある。

 先日、私は自室でPCとにらめっこしながら仕事をしていた。広貴は、隣の自分の部屋で静かに本を読んでいる。私の部屋に入ってくる。目が真っ赤。

 広貴は私の顔を見て安心したように、声を上げて泣き出す。まさに、号泣というような泣き方だ。全く事情の分からない私は、内心あわてながらも、落ち着き払った様子で、広貴に、どうしたと聞く。広貴は、私によしかかるようにしながら話し出した。

 「『君のためなら千回でも』を読んでいたら、人は何のために生まれてきたのか、何のために生きているのか、命ってなんなのか、自然そんなことにまで思うようになっていき・・・・この国の子たちは・・・、そんな事を考えると涙が止まらなくなった・・・」

 言葉に詰まりながら、少しずつ、そんなことを言う。

 私は、余計なことは言わない。そうか、そうかと言って、ようやくおさまってきた広貴の背中や肩をさする。

 本の威力はすごい。また、親バカではあるが、そんな豊かな感受性を持つ広貴に、まっすぐ育っていって欲しい。

 妻にこの話をすると、妻も、広貴が読み終えたらすぐに読みたいと声を上げる。一冊の本で、家族で共通の話題ができる。共通の思いを持つことができる。真由子もいつか読んでくれることだろう。
山野之義 * 一夜一冊 * 22:12 * comments(0) * trackbacks(0) * pookmark

「ちょっとだけ」(福音館)

 「なっちゃんの おうちに あかちゃんが やってきました。
 なっちゃんは おねえちゃんになりました。」

100603ちょっとだけ ちょっとだけ」(福音館)


 真由子が生まれたとき広貴は3歳。何人もの先輩お父さんお母さんからご助言をいただく。

 曰く、「おにいちゃんに今まで以上に気をかけなさいよ」
 曰く、「周りの方の関心があかちゃんにばかり向かうから、親はしっかり上の子の方を見ていないと」
 曰く、「そうであっても、上の子のちょっとしたサインを見落とさないように」等々。

 この絵本の主人公なっちゃん。すべての「上の子」の代表選手のような存在。

 なっちゃん、ママと歩くとき、いつものようにママと手をつなごうとします。てもできない。ママはあかちゃんをだっこしているから。
 
 「なっちゃんは ママの スカートを ”ちょっとだけ” つかんで あるきました」

 のどが渇いたなっちゃん。いつものようにママに牛乳を入れてもらおうとママをさがします。でも、ママはあかちゃんのミルクの準備で忙しそう。

 「なっちゃん ぎゅうにゅうを やっとのことで ”ちょっとだけ” いれることができました」

 夜、あかちゃんを寝かせているママ。なっちゃんは一人でパジャマに着替えようとします。

 「いつも ママが やってくれるのを みていたので ”ちょっとだけ” せいこうしました」

 ママがあかちゃんのお世話で大変だと気遣うなっちゃん。いろんなことを一人でやって、”ちょっとだけ”うまくいく。

 ある日の夜、だんだん眠たくなってきたなっちゃん。
 「だんだん めが とじてきちゃいそう・・・」

 「『ママ、”ちょっとだけ”だっこして・・・』
  『ちょっとだけ?』
  ママが なっちゃんに ききました。
  『うん、”ちょっとだけ”でいいから』」

 「『”ちょっとだけ”じゃなくて いっぱい だっこしたいんですけど いいですか?』
  ママは やさしく わらって もういちど ききました」

 なっちゃん、「いいですよ!」

 お母さんにいっぱい抱っこしてもらうなっちゃん。今度は、あかちゃんに”ちょっとだけ”がまんしてもらいます。



 広貴には、”ちょっとだけ”どころか、”たくさん”我慢させてしまったかもしれない・・・。
山野之義 * 一夜一冊 * 22:34 * comments(0) * trackbacks(0) * pookmark

「声に出して笑える日本語」(立川談四楼著)

 東京にいる時と、金沢に戻ってからとの大きな違いの一つは、「落語」である。

 東京にいる時は、若い奴でも落語が好きだという奴がいた。ところが、金沢で、落語が好きという奴に出会ったことはない。一つには、分母が違いすぎる。つまり、人口が違いすぎる。もう一つは、簡単だ。都会と田舎の違い。金沢で落語を聞くという環境の場所は全くと言ってもいいくらいない。これは落語だけじゃないか・・。

 と、そんなことはどうでもいいが、落語家の書いた本というものは、意外とおもしろい。口述筆記、といえば聞こえがいいが、ゴーストライターが書いたものであってもそうだ。一体、ゴーストライターにしても、ホントにその落語家が書いたと思わせなければいけないから、世間の人が、落語家に持つイメージを意識して書く。

 結果、軽快で洒脱で歯切れがいいものが出来上がる。しかも、言葉のセンスが抜群。
100527声に出して笑いたい日本語 「声に出して笑える日本語」

 立川流、つまり立川談志の最初に真打になった弟子、立川談四楼。実は、この作品。単行本のときは、大した売れなかったという。ところが文庫本になったらなぜかベストセラーになる。ということで、今では、続編まで出ている。

 プロのアナウンサーの言い間違えなんかを取り上げながら、日本語のおもしろさ奥深さを教えてくれている。・・・、ばっかでもないか。

 悲惨な事件を深刻な表情で伝える女性キャスター。
 「ご遺族は今、悲しみのズンドコに沈んでいます。謹んでお悔やみ申し上げます」

 あるラジオのアナウンサー。
 「海のモズクと消えました」

 まぁ、そんな話ばかりではない。ちょっとした言い間違いから、間違いが自然と市民権を得てきている例なんかを、それこそ、落語の口調でぽんぽん出てくる。ちょっとした日本語教本。

 私が、何度か読んでも、その都度、噴き出してしまう話。ガッツ石松の言葉。

 「ガッツさん、ガッツさんの座右の銘は?」
 「イッテンゴ」
 『しばらくわからなかったが、どうもガッツさん、「座右の銘」と「左右の目」を聞き違えたらしい。で、1.5なのである』

 ・・・・・・。

 『Jリーグが発足した時のガッツさんの感想がスゴい。「ボクシングもプロ化しなきゃな」と言ったのである。いやホントですって、私はこの耳で確かにそう聞いたんですから。』

 ・・・・・・。

 あるクイズ番組。
 「鎌倉幕府は何年にできた?」
 「4192年」
 スタジオ騒然。ガッツ石松、いささかも悪びれずに言った。
 「だってヨイクニツクロウ鎌倉幕府だろ。だから4192年じゃねえか」

 ・・・・・・。

 「太陽はどっちから昇る?」
 「右」

 ・・・・・・。

 「ワインの主な原料は何?」
 「フランス」

 ・・・・・・。

 他にも沢山のエピソード。いや、ガッツだけじゃなくて。

 最後に、落語家らしい小話。

 『小学校の理科にこんな問題がでたそうだ。
 「氷がとけると〇になる。〇をうめなさい」と。
 水になるが正解らしいのだが、〇に春という文字を入れた子がいた。より正解である。何という想像力が豊かな子であることか。』
 
 でも、その子は、×を付けられたという。

 と、この「声に出して笑える日本語」のことを書きたかったわけではない。この本は、大分前に読んだ。ある本を読んで思い出したから、また、本棚から引っ張り出してきただけだ。それでも、ガッツ石松の箇所でまた笑ってしまったが。

 で、そのある本とは、立川談春の「赤めだか」
100527赤めだか

 これは、今度書く。
山野之義 * 一夜一冊 * 23:33 * comments(0) * trackbacks(0) * pookmark

「東大合格生のノートはかならず美しい」(太田あや著)

 今朝の朝刊、マンガみたい記事を見かける。

100513東大コーヒー 「東大合格生の飲むコーヒーはかならず美味しいのか?」をPRする「東大合格生のノートはかならず美しい」などの著者、太田あやさん=東京都港区で2010年5月12日、井出晋平撮影。以上、毎日新聞平成22年5月12日記事より引用

 記事によると、集中力を高めるためコーヒーを飲む「東大合格者」が多いというデータがある、そのため、こんなコーヒーをUCCが出したという。

 少なくとも、大学受験をするような年代では、カフェインによる、覚醒効果を期待することはあろうが、集中力を高めるために意識してコーヒーを飲むような奴がいるとは思えない。

 UCCにしても、「東大生」ブランドで、受験生を含めた学生さんをターゲットにしたいのだろう。

 さて、この、「東大合格生のノートはかならず美しい」という本。なかなかのお役立ちだ。

 ここ何年か前からずっと、私の手帳は、野口悠紀夫超整理手帳である。

 何にも変わった使い方はしていない。サイズが気に入っているだけである。A4サイズの紙を、四つ折にしてちょうど収まるからだ。これは重宝。

 今時、会合等々での資料はほとんど全てA4サイズである。レジュメくらいなら、サッと折り曲げて、手帳に挟み込む。何かの折に、手帳から取り出して読み直す。そのような用紙が増えて手帳が分厚くなってくると、それこそ、その書類を「整理」する。

 それだけではない。

 A4用紙の四つ折にきれいにフォーマットを決めておき、「青空文庫」で、昔の名作をこの用紙にダウンロードする。ちょっとした空き時間、手元に本がない場合、手帳からその用紙を取り出して、その「本」を読む。そうやって、私は、森鴎外の作品をいくつも再読した。夏目漱石の「硝子戸の中」、「夢十夜」なんか、この手法で何回読んだことか。

 最近、いい大人が、人前で携帯をチョコチョコ触っている様子をよく見る。みっともないったらありゃしない。馬鹿じゃないか、とさえ思うこともある。そりゃ、大事なメールをチェックしていることもあるだろうが、長い時間でとてもそうとも思えないこともある。

 同じメールを眺めてるわけでもあるまいし、ネットで情報をそんなに仕入れてるわけでもあるまい。ネットの情報というのは、サッと見てサッと見切るものだ。

 手元に、本や新聞がない場合は、こうやってA4の紙でダウンロードした小説等々を読んでいる。すると、傍目からは、何かの資料に目を通しているように見える。ジャパニーズビジネスマンだね。

 とまぁ、そんなことはどうでもいいが、それとは別に、色々とメモったりするのはA6サイズのノートを別に持つ。スーツの右ポケットに入れておく。全て、時系列で走り書きする。これも、時々目を通すにはちょうどいい。きれいには書かない。誰が見るわけでもない、自分だけだ。しかし、自分しか見ないと分かってはいるが、あまりにも乱雑な書き方、そこは何となく気になる。

 そこで、この本を衝動買い。

010505東大生のノート 手帳の使い方等を模索していた数年前に買ったものだと思い込んでいたが、後付を見ると、2008年に刊行されたもの。A6サイズノートにメモをしていた乱雑さが、やっぱ、気になっていたんだな。それとも、やっぱ、東大コンプレックスかな。

 受験生じゃなくても、おもしろく読めるし、メモの取り方の一つの参考にもなる(こともないかな)。この著作のHPもあるようだ。

 家の中で、どっかにいっていたが、中学生になった広貴が、我が家の本棚から引っ張り出してきた。これを参考にしながら、自分なりにノートのとり方を工夫しているようだ。

 ということで、私も久し振りにパラパラ見る。・・・確かに、頭のいい人は違うわ。心構えが違うね。
山野之義 * 一夜一冊 * 23:57 * comments(0) * trackbacks(0) * pookmark

「中村俊輔 夢をかなえるサッカーノート」

 もう10年以上前になる。日本にJリーグが開設された、まさにその日のことを、私はなぜかはっきりと覚えている。

 調べたら、詳細な日時も分かった。1993年5月15日に行われたヴェルディ川崎対横浜マリノスだ。

 サッカーのこともほとんど分からなかった私であるが、さすがに、にわかサッカーファンとなる。そして、この試合を、ソフトバンクの社内のテレビで多くの仲間と観戦していた。

 すんません。覚えているといっても、そんだけだ。

 さて、この中村俊輔という選手。もちろん、スーパースターだということもよく知っていた。ただ、2002年の日韓ワールドカップにおいて、トルシエ監督から評価されず、確実とも言われた日本代表に呼ばれなかった。

 そんなことはどうでもいいのだが、私は、そのときのトルシエ監督の中村俊輔に対する言葉、「ワールドカップは家で見ていろ」は強烈に印象に残っている。

 それ以来、この選手の言動には自然、関心が向くようになる。

100505中村俊輔 夢をかなえるサッカーノート

 もっとも、「関心がある」程度で、サッカー選手の本なんか買わない。この本、ホントに(まちがいなくホントだろうが)中村俊輔が書き溜めたものであるならば、私は、この選手に対する見方を改めなければならない。いや、もう改めている。

 実力がありながら、りーダーから、厳しき落第の烙印を押されたかわいそうな選手から、自分の問題意識の中で、自分の立場を考え、自分の能力で来るべき機会を見据え、しかも、その準備ができる選手へと。

 サッカー選手はもちろん、他のスポーツに取り組んでいる若い人、さらには、スポーツ選手以外の人にも、大いに参考になる。

 私も、広貴に読ませたし、広貴もしっかり目を通したようだ。ただ、なかなか、実行できていない。

 やっぱ、そこが中村俊輔の凡人と違うところか。広貴をそのように育てていくこと(見守っていくこと)も、親としての私の責任。
山野之義 * 一夜一冊 * 22:10 * comments(0) * trackbacks(0) * pookmark

「ドリームデザイナー」(川崎和男著)

100501ドリームデザイナー 川崎和男氏は他にもいくつも著作を出されている。この本は、NHK「課外授業、ようこそ先輩」が本になったもの。川崎氏の仕事や考え方を知るには、他の本のほうがよいかもしれない。
 私は、先日、図書館へ行って全く別な本を探しているとき、フッと目に入って借りただけ。でも、読みやすくておもしろかった。


 金沢美術工芸大学の前学長の平野拓夫氏が、どこかで話されていた。「金沢美大出身者で現在の日本の産業界で大きな活躍をされている方たちは何人もいる」

 当初、私は、まぁ、美大の学長さんだから、現在の美大の学生さんたちを鼓舞するためにリップサービスとしておっしゃってるんだろう、くらいにしか受け止めていなかった。

 しかしながら、平野前学長のそのお言葉を頭の隅っこに置いていると、確かに、カツンとそのようなことに思い当たることも出てくる。「何人もいる」かどうかはともかく、大きな仕事で名前を聞いたり、関係を耳にしたりすることはある。

 その双璧は、なんといっても、あの任天堂のゲーム「マリオ」シリーズの生みの親宮本茂氏であり、この川崎和男氏であろう。

 宮本氏が一般に広く知られるようになったのは、2007年、アメリカの雑誌『TIME』の企画「今年世界に最も影響力のある100人」の中で、第9位に選ばれたことであろう。日本では、そのことで、ちょっとしたブレイクになった。私も、何度かこのブログでも取り上げた

 川崎和男氏が一躍有名になったのは、あのアメリカ副大統領候補サラ・ペイリン女史がかけていたメガネによってであろう。彼女のメガネは、いくつもの候補の中から、最後は家族みんなで選んだものだという。そのメガネが川崎和男氏のデザインによるものである。

100501サラ・ペイリン サラ・ペイリン女史

 アメリカの副大統領候補が愛用しているメガネを日本人、しかも、我らが金沢美大出身者がデザインしたものと聞いて、全く関係ない私であるが、妙に、誇らしい気持ちになった。それは、あのジョン・レノンの奥さんが日本人だと知って、全く何の関係もないが、日本人の一人として何となく嬉しい気持ちになった、それと同じであろうか。

 ただし、その奥さんが、もう少し、きれいであったならと大変残念な思いも、全く関係ないのに勝手に感じていたものだ。それは、あの長嶋茂雄の声が、あんな甲高い声でがっかりしたのと、全く関係ないのに勝手に感じていたことと同じなのであろう。

 その川崎氏にもう一つ強いシンパシーを感じたこと。それは、川崎氏の活動の拠点が、氏の出身地の福井県であるということである。東京でなく、こんな田舎で行われた仕事がアメリカの大統領選挙でクローズアップされる。いいね!

 川崎氏については、交通事故で下半身不随になり車椅子生活であるということ等々、もう少し書き足したいこともあるが、眠たくなってきたので、今度。
山野之義 * 一夜一冊 * 23:58 * comments(2) * trackbacks(0) * pookmark

「昭和天皇論」(小林よしのり著)

100426昭和天皇論 昭和天皇論」(幻冬舎

 この作者、漫画家として新しい境地を作った。これまでも、「ねじ式」「李さん一家」のつげ義春、「絶対安全剃刀」や「おともだち」の高野文子、趣向は違うが「カムイ伝」の白土三平、「AKIRA」の大友克洋等々、漫画家といっても重厚で社会的に存在感を示していた方たちもいた。

 小林よしのりは彼らとは違う境地だ。私個人は、どうしても「東大一直線」のイメージが抜けきらないのだが、重厚とは言えないが、社会的にそれなりに影響力のある漫画を描いている。

 「ゴーマニズム宣言」、「戦争論」、「沖縄論」、「天皇論」等々、それなりの政治家や経済人でも読者は多い。私は、読んだことはなかったが、「天皇論」くらいは読んでみようかなと思っていた。

 と、そんな時に出たのがこの「昭和天皇論」

 「SAPIO」での小林氏の漫画で、やや抵抗を感じながら読む部分もあったが、小林氏の皇室に対する敬意については、私も好感を持っている。

 ということで、それではと購入。

 やはり、前半部分でやや抵抗を感じる部分もあったが、概ね、「正しい」価値観。

 憲法(それも大日本帝国憲法も日本国憲法も含めたものだが)における「天皇」に関する事項を理解するにはいい。

 「皇室」入門編。でも、少なくともある程度の理解がある人は、買ってまで読まなくていい。初心者向け。広貴に読ますか。
山野之義 * 一夜一冊 * 23:35 * comments(0) * trackbacks(0) * pookmark

「旧皇族が語る天皇の日本史」 (竹田恒泰著)

 慶應義塾大学の竹田恒泰先生の講演の事は、以前、ここにも書いた。

100417旧皇族 「旧皇族が語る天皇の日本史」 (PHP新書)
 竹田先生、既に著書もいくつも出されているが、先生の入門編としてお薦め。


 書いてあること自体は、ホントに初心者向けなので、サラッと読むことができる。お薦め。

 なるほどこんな視点か、と感心した点を一つだけあげる。

 「どの国も、自国の憲法の第一条には、その国にとって最も重要なことを書く。憲法の第一条を読めば、その国のスタンスがわかるといっても過言ではない。」

 として、日本国憲法の他に、アメリカ合衆国憲法、中華人民共和国憲法、各々の第一条をあげている。

 まず、日本国憲法。
 「第1条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」

 次、アメリカ合衆国憲法
 「第1条第1節 この憲法によって与えられる立法権は、すべて合衆国連邦議会に付与される。連邦議会は、上院及び下院によって構成される。」

 そして、中華人民共和国憲法。
 「第1条 中華人民共和国は、労働者階級が領導する、労農同盟を基礎とした人民民主主義独裁の社会主義国家である。」

 う〜ん、分りやすい。

 日本は、GHQに押しつけられた憲法だとか、国民主権だとかなんだかんだと言っても、天皇を第一条にもってきている。しかも、「主権の存する日本国民の総意に基く」存在と明確に書いてある。

 アメリカ合衆国憲法は、まさに、民主主義の国。世論の国。

 中国は、社会主義独裁国家。ちゃんと憲法に書いてある。

 嫌味を書く。「護憲」を声高に叫んでいる方たちは、そのことは正確に認識しておいた方がよい。認めることも悔しいだろうが、自分たちの中で論理破綻をきたさないためにも必要であろう。

 歴史にある程度通暁していれば、小一時間で読める。知識の再整理にはいい。

 ただ、私としては、二つ三つ気になることもあったことは付記しておく。

 ところで、「天皇制」という言い方をされることが、ままある。実は、この言い方は、明らかに何らかの悪意を持った言い方である。一般には、「皇室制度」と言う。そこのところはきちんと認識しておいた方がよい。余談。
山野之義 * 一夜一冊 * 22:34 * comments(0) * trackbacks(0) * pookmark
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